ポケット型WiFiの仕組みを分かりやすく解説!どうやって通信しているの?

ポケット型WiFi・モバイルWiFiとは?ポケット型WiFiの仕組みやメリットデメリットを解説
  • 最終更新日:2024年3月27日
ポケットWiFi(ポケットワイファイ)の仕組みを解説
「ポケット型WiFi・モバイルWiFiってなに?」
「どのような仕組みでインターネットに繋がるの?


ポケット型WiFiについて興味はあるけれど、どのような商品を指すのか、どのような仕組みで通信しているのか、分からない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

また、ポケット型WiFiと似たような言葉として「モバイルWiFi」や「モバイルルーター」などの用語もあり、多くのユーザーが混乱する原因ともなっています。

そこで、当ページでは、初心者の方でも分かりやすいように、ポケット型WiFiの基礎知識と仕組みをどこよりも丁寧に解説します!

この記事をご覧いただくと、ポケット型WiFiがどのような仕組みで通信しているのかだけではなく、ポケット型WiFiにはどのようなメリット・デメリットがあるのかまでご理解いただけます。

早速見ていきましょう!




宮城紘司

【新聞社推薦】通信プロバイダ比較の専門家 宮城紘司

通信サービスに関する正しい情報を届ける「WiMAX比較.com」の編集長を務める他、ネット回線専門家として、通信プロバイダや通信端末の比較記事における監修も務める。WiMAX比較.comは、ポケット型WiFi関連の最新情報を発信し、7年間で累計5万人以上のネット回線契約をサポートしています。監修者について

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通信領域に精通するメンバーで構成している当編集部は、WiMAXを始めとするポケット型WiFi関連の最新情報を発信し、7年間で累計5万名様以上のネット回線契約をサポートしています。
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ポケット型WiFi・モバイルWiFiとは?用語の意味を解説!

モバイルWiFiとはどんなサービス?

ポケット型WiFi・モバイルWiFiの仕組みについて解説する前に、ポケット型WiFiがそもそもどのような商品を指すのか確認していきましょう!

ポケット型WiFiは、正確には現在ワイモバイルやソフトバンクから販売されている「Pocket WiFi」という商品名です。

Pocket WiFiは小型で持ち運び可能な通信端末で、このような端末は「モバイルルーター(=モバイルWiFi)」と呼ばれています。

しかし、この「Pocket WiFi」という名前が世間に広く知れ渡ったことから、現在ではワイモバイルの「Pocket WiFi」以外のモバイルルーターも「ポケット型WiFi」の名称でまとめて呼ばれるようになりました。

Pocket WiFi以外のモバイルルーターとは?

有名な例では「WiMAX」や「THE WiFi」などが挙げられます。

つまり、「ポケット型WiFi」「モバイルルーター」「モバイルWiFi」などの用語は、どれも持ち運び可能な通信端末全般を指す言葉として使われています。

当サイトでも、各社のモバイルルーターを総称してポケット型WiFiと呼んでいます。

では、このポケット型WiFiがどのような仕組みで通信しているのか、次の章で詳しく見ていきましょう。

簡単にわかる!通信の仕組みを紹介

ポケットWiFiが通信する仕組みについて

ここでは、ポケット型WiFiがどのような仕組みで通信しているのかを解説していきます。 ポケット型WiFiでは名前からも分かるように、「WiFi」という仕組みを使っています。

ポケット型WiFiの仕組みについて理解するために、最初にこの「WiFi」の仕組みについて確認していきましょう。

WiFi(ワイファイ)の仕組みとは?

WiFi(Wi-Fi)とは、「The Standard for Wireless Fidelity」の略で、無線通信でデータのやり取りを行う無線LANシステムの統一規格のこと。

WiFiが登場する前は無線LANに統一の規格が存在せず、各メーカーは独自の規格を使用していました。そのため、メーカーが異なると相互に通信できないという問題が発生していたのです。

しかし、WiFiという統一規格の登場により、WiFi認証されている通信機器であれば異なるメーカーでも相互通信ができるようになりました。

これによってWiFi規格と無線LANという仕組みは急速に普及していくことになります。

ワイファイの仕組み

これまで有線LANが主流だった家庭でや職場では、ケーブルが引いてあるところでしかパソコンをインターネットに接続することができませんでした。

しかし、WiFiルーターとWiFi認証の通信機器が普及すると、家や職場のどこにいてもパソコンやスマホをインターネットに接続できるようになりました。

今ではパソコンやスマホにとどまらず、あらゆる通信機器がWiFiの認証を受けています。

以上がWiFiの仕組みの解説です。 WiFiによって、ルーターと無線で通信できるエリア内にいればどこでも通信できるようになりました。

ただし、インターネット通信を行うためには、WiFiルーターだけではなくインターネットへアクセスするための回線もセットで必要です。

自宅やオフィスの回線として最も有名なものは、「フレッツ光」などの光回線。自宅やオフィスに光ファイバーケーブルを引き込むことでインターネット通信が可能となります。

では、ポケット型WiFiではどのような回線を利用してインターネット通信を行っているのでしょうか?次は、ポケット型WiFi回線の仕組みについて見ていきましょう!

ポケット型WiFi回線の仕組みはスマホと同じ?

ポケット型WiFiのルーターは光回線と違って、ケーブルを使わずにインターネット接続が可能です。その理由は、ポケット型WiFiが使っている回線にあります。

実は、ポケット型WiFiの利用回線は携帯電話で使用しているような「移動体通信回線」と呼ばれるもの。代表的なものでは4GLTE回線がそれにあたります。

ポケット型WiFiは、通信業者がそれぞれ独自で設置している基地局からの電波をキャッチすることで、通信を行う仕組みとなっています。

ワイファイの仕組み

この基地局の電波を使用するためには、NTTdocomo(ドコモ)、Softbank(ソフトバンク)、UQコミュニケーションズ(WiMAX)などの通信業者か、回線をレンタルしているMVNO事業者との契約が必要。

契約後に通信業者から支給されるSIMカードを挿入することによって、ポケット型WiFiルーターは契約した通信業者の電波を利用できるようになります。スマホと全く同じ仕組みですね。

ポケット型WiFiの通信事業者一覧

  • docomo
  • au
  • Softbank
  • WiMAX
  • 楽天

通信業者同士を比較すると、au(WiMAX)やdocomo、Softbankといったメジャーな携帯電話会社は、日本各地に基地局を既に多く持っています。

しかし、3社よりも新しい通信サービスである楽天の基地局は、前述した携帯会社と比較するとまだ少ないと言えます。

そのため、例えば山間部にお住まいの方であれば、既に全国各地に基地局を設置しているauやdocomo、ソフトバンクの回線の方が繋がる可能性は高いです。

とはいえ、楽天使用可能エリアは急速拡大中。今後、楽天回線が快適につながるエリアは確実に広がっていくでしょう。

以上、ポケット型WiFiの仕組みについて解説しました。この章の最後に、「WiFi」と「ポケット型WiFi」の仕組みについてまとめます。

まとめ
  • WiFiは無線LANの通信規格で、あらゆるメーカーのWiFiルーターと端末を無線でつなぐことが可能
  • ポケット型WiFiではスマホと同じ回線を利用しているため、光回線のようなケーブルは不要
  • 使用エリアが山間部なら、楽天回線よりau(WiMAX)・docomo・ソフトバンク回線のほうがつながりやすい

続いては、ここまででお伝えしてきたポケット型WiFiの仕組みをもとに、ポケット型WiFiにはどのようなメリットとデメリットがあるのかを解説していきます。

メリットとデメリットを解説!

ポケットWiFiを契約するメリットとデメリットは?

ここでは、ポケット型WiFiの仕組みから見えてくる「メリット」と「デメリット」を紹介していきます!最初にメリットから見ていきましょう。

ポケット型WiFiのメリットは3つ

ポケット型WiFiには主に以下の3つのメリットがあります。

ポケット型WiFiのメリット

  • 自宅でも外出先でも利用できる
  • 工事なし&最短即日で契約可能
  • 利用料金が安い

ポケット型WiFiのメリットを1つずつ見ていきましょう!

自宅でも外出先でも利用できる

ポケット型WiFi最大のメリットは、ポータブル式(持ち運び可能な)のモバイルWiFiルーターを用いることで、自宅でも外出先でもインターネット通信を行うことができる点。

先ほどポケット型WiFiの仕組みをご紹介しましたが、電波が届くエリアならどこでも利用可能です。さらに、一部のポケット型WiFiは海外でも利用可能。ポケット型WiFiが1台あれば世界中どこでもインターネットを利用できます。

ポケット型WiFiが1台あれば、自宅のWiFi利用だけでなく、カフェや職場/学校などの場所の変化や、旅行中・出張中といったシチュエーションの変化に縛られないインターネット接続が可能です。

スマホのテザリングでも同じことができるのでは?と考えた方もいるかと思いますが、実は通信速度に大きな違いがあります。

通信速度(下り)
スマホのテザリング
(4G・LTE回線)
150Mbps
ポケット型WiFi
(クラウドSIMの場合)
150Mbps
ポケット型WiFi
(WiMAXの場合)
3.9Gbps(3900Mbps)
ポケット型WiFi
(ドコモの場合)
4.9Gbps(4900Mbps)
ポケット型WiFi
(ソフトバンクの場合)
2.4Gbps(2400Mbps)

ポケット型WiFiの最大通信速度は、WIMAXやドコモの場合だと、なんとLTEの25倍以上!

外出先でパソコンやタブレットを使って動画視聴やオンラインゲーム、ビデオ会議をするのであれば、テザリングよりもポケット型WiFiが断然おすすめです。

工事なし&最短即日で利用可能

ポケット型WiFiは4GLTE回線、5G回線などの電波を利用してインターネットと通信する仕組みです。つまり、光回線と異なり契約時にケーブルを引き込むといった工事は一切不要。

光回線とポケット型WiFiの設置方法や設置までの期間の違いは以下の通り。

ポケット型WiFi光回線
回線工事必要なし必要
初期費用3,300円~
(契約事務手数料、端末料金)
1~3万円から
(契約事務手数料、端末料金、回線工事費)
利用開始
までの日数
最短2~3日1ヶ月~

光回線は、電柱から自宅に光ファイバーケーブルを引き込む回線工事が必要です。お住まいの地域やアパートによっては工事ができないケースも。

工事費は2~3万円が一般的で、工事には立ち会いが必須です。

休日は予約が埋まっていることが多いため、予約は最短でも1ヶ月先になってしまうことが多々あります。引っ越しシーズンは予約が2~3ヶ月先になってしまうことも。

一方、ポケット型WiFi契約時の作業はポケット型WiFiルーターにSIMカードを挿入するだけ。端末が届き次第すぐに利用できるため、契約から最短即日で利用を開始することができます。

初期費用も、工事の必要がないポケット型WiFiは、基本的には契約事務手数料と端末料金で済みます

インターネット環境が急に必要になった方には嬉しいメリットです。

利用料金が安い

ポケット型WiFiは光回線と比較すると価格が安いのもメリットです。以下の表をご覧ください。

ポケット型WiFiと光回線
料金比較表

サービス名 月額料金
WiMAX
(ポケット型WiFi)
4,818円~
楽天
(ポケット型WiFi)
3,278円
フレッツ光コラボ
(光回線
・一戸建て)
約4,200円程度~
NURO光
(光回線
・一戸建て)
5,200円~
※カシモWiMAXを2年契約で利用した場合。

このようにポケット型WiFiは月額3,200円台からと非常に安い値段で利用できます。インターネットにかかる費用を少しでも抑えたい方にポケット型WiFiはおすすめです。

ここまで、ポケット型WiFiのメリットについてお伝えしました。どこでも使えて工事不要でしかも料金が安い、魅力的な特徴が多いポケット型WiFi。

一方で、契約前に知っておきたいデメリットも存在します。

次はポケット型WiFiのデメリットについて確認していきましょう。

無制限で使えない?ポケット型WiFi3つのデメリット

ポケット型WiFiのデメリットは以下の3点が挙げられます。

ポケット型WiFiのデメリット

  • 通信容量が制限されている場合もある
  • 回線が安定しにくい
  • 複数人でシェアするには向かない

上から詳しく見ていきましょう!

通信容量が制限されている場合もある

月額料金の安いポケット型WiFiですが、通信容量に月間○○GBのような制限が設けられていることがあります。

この制限はスマホ同様、契約プランで定められている通信容量を超えると月末まで通信速度が低速に制限されてしまいます

制限中は、動画視聴やWebサイトの閲覧が難しくなるので注意が必要です。

ただし、ポケット型WiFiの中には「安い月額料金」と「通信容量が無制限」の両方を満たしている商品も存在します。

ポケット型WiFiを契約する前には料金だけでなく通信容量にも注意して商品を選ぶようにしましょう。

回線が安定しにくい

ポケット型WiFiが電波塔からの電波を拾って通信する仕組みであることは先ほど説明しました。

ポケット型WiFiは電波の届く場所ならどこでも利用できる反面、電波状況によって回線が不安定になるデメリットがあります。

通信回線の安定度で比較すると、ポケット型WiFiよりも光回線のほうが優秀との評判もあります。

通信回線の安定度が求められるオンラインゲームなどでよく遊ぶのであれば、ポケット型WiFiではなく光回線を契約することをおすすめします。

複数人でシェアするには向かない

ポケット型WiFiのルーターは複数人、複数台で通信すると通信速度が著しく遅くなるというデメリットがあります。

家族で1つの回線を共有する場合は、ポケット型WiFiよりも通信速度が遅くなりにくい光回線や、ホームルーターの利用をおすすめします。

ホームルーターとは?

ホームルーターとは、ポケット型WiFiと同じく4GLTE回線、5G回線の電波を利用する家庭用のルーターです。代表的な商品としては「Softbank Air」が挙げられます。

ホームルーターは持ち運びはできないものの、ポケット型WiFiよりも回線が安定しており、複数人でも快適に利用できるという違いがあります。

ここまで、ポケット型WiFiのメリットとデメリットをそれぞれお伝えしました。ポケット型WiFiは数十社がサービスを提供しており、各社(プロバイダ)ごとに料金やキャンペーン、通信容量などが異なります。

当サイトでは、そんなポケット型WiFiの主要20社を別のページで徹底比較。料金・データ容量・通信速度・通信エリア・端末(ルーター)などあらゆる視点から比較した結果をお伝えしています。

ポケット型WiFiの仕組みや特徴を確認したうえで、契約を考えている方は是非ご一読ください!


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【まとめ】ポケット型WiFiの仕組みをQ&Aで確認!

ポケットWiFiの仕組みまとめ

当ページでは、ポケット型WiFiとは何か・WiFiの仕組みについてご紹介しました。WiFiがどのような仕組みでインターネットに繋がるのか、ご理解いただけたのではないでしょうか。

最後にこれまでお伝えしたポケット型WiFiの仕組みにまつわる情報をQ&A形式で振り返っていきます。

ポケット型WiFiとはどのような商品を指す?

ポケット型WiFiとはY!mobileのモバイルWiFiルーターの商品名です。しかし、ポケット型WiFiという名前が広く世間に知れ渡ったことから、他社のモバイルWiFiルーターもまとめてポケット型WiFiと呼ばれるようになりました。

今では持ち運び可能なWiFiルーター=「ポケット型WiFi」という意味で使われています。

WiFiとはどのような仕組み?

WiFiとは、無線LAN通信の統一規格のこと。WiFiの規格を満たしている通信機器であればメーカーが違っていても自由に無線で通信することができます。

WiFiルーターの電波が届く範囲内であればケーブルなしでPCやスマホをインターネットに接続することが可能です。

ポケット型WiFiの仕組みはどうなっている?

ポケット型WiFiの回線は携帯電話と同様「移動体通信回線(4GLTEなど)」を利用しています。ポケット型WiFiルーターが基地局からの電波をキャッチしインターネットと通信する仕組みです。

基地局からの電波を利用するためには、docomoやUQコミュニケーションズなどの通信事業者や、回線をレンタルしているMVNO業者などと契約する必要があります。

ポケット型WiFiのメリットは?

ポケット型WiFiには「自宅でも外出先でも利用できる」「工事不要ですぐに利用可能」「料金が安い」というメリットがあります。

インターネット環境を急いで整えたい方や、料金をなるべく安く抑えたい方におすすめです。

ポケット型WiFiのデメリットは?

ポケット型WiFiは「通信容量が制限されている場合もある」「回線が安定しにくい」「複数人でシェアするには向かない」というデメリットが存在します。

しかし、商品によっては上記のデメリットに当てはまらない(例:無制限で通信できる)ものもあります。

以上、ポケット型WiFiの仕組みについての振り返りとなります。最後までお読みいただきありがとうございました!


※ポケットWiFi(ポケットワイファイ)はソフトバンクの登録商標です。当サイトではソフトバンクのポケットWiFiを含むモバイルWi-Fiルーターの総称は「ポケット型WiFi・モバイルWiFi」として記載しています。